国立国際美術館 - 束芋:断面の世代2010/07/29 00:35

http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning_tabaimo.html
先日、見てきたので感想を整理。

束芋(タバイモ)
ラインアート。髪、手、からだ、日常で目にする製品、それ等の一部分や断面、それぞれをmixしたものをドローイングしている。(腕から先とか、心臓とか、自動車のハンドルとか)

表現手段は、古典的なカンバスに画材を乗せて壁にかける方法ではなく、手描きの絵を映像化した作品を特徴的な空間に投影し、同じく作品にあわせた音を鳴らすという方法。なので、作品点数としては少ない。

最近のデジタルアートとの決定的な違いは、元が手書きという事、表現方法がディスプレイではなく圧倒的な存在感のある空間だという事。空間は投影作品に合わせてあり、足下も見えない薄暗い通路を抜けると、そこに作品があり、ぽっかり空いた異質な空間に引きずり込まれる感じ。投影先は天井だったり、大きな方形の凹み、カーブした壁、鏡を利用して宙に浮いた様に見える空間、円形の空間など。

表現内容は、人の顔が描かれた絵はほぼ無く、オブジェクトからメッセージを読み取る感じ。それらが不可解に動き、不気味な音も流れて落ち着かない感じだが、絵は手描き、塗りはレトロな感じ、昭和な感じで、どことなく見ていて哀愁も感じる。

■感想
描かれているのは、オブジェクトの一部や断面。でも表現された先は立体的な空間。手書きのドローイングだけど、映像である。これまで自分が見てきた芸術は、ある程度の枠の中で表現されるものという既成概念があったので、それを飛び越えたおかしな感覚が体験できるという意味で面白かったと思う。外の熱気からひんっやりした館内に入って、薄暗い通路を抜けて不思議感覚にひたるというのはなかなか良かった。
描かれているもの自体は不可解で不安になるような内容なので、「買いますか?」と聞かれたら「買いません」と答えますけど。

GW前に行ったルノワール展の感想メモ2010/05/17 23:47

GW前の平日の昼時に行ったが、マダム達で盛況だった。目を凝らして作品ににじり寄る人達の後ろから覗き込むような感じで見る状態になった。

■イレーヌ
説明不要で、入場チケットにも印刷されている「イレーヌ」。全体的にはぼやっとした絵だが、瞳やその顔立ちの付近だけ輪郭がハッキ リしていて、パッと見た時に吸い込まれる様にそこに目が行く。カメラで 言うならそこにピントが合ってる感じ。カメラだと、同じ距離なら他の部分も同じ様にピントが合ってしまうが、これは絵ならではの表現だと思 う。
あとは、色の鮮やかさ。web画像や館内で売られているレプリカではちょっと分からない状態になってるが、実は白の服とブルーのスカートは生で見るととても鮮やかだった。印刷物などでは、スカート部分などはカットされて省略された画像も多くて残念に思う。
同じ様に、「ド・ボニエール夫人」はイレーヌの傍に展示されていたが、webで見ると、なんだかな~という色あいだが、生の絵は素直にキレイだと思える。光り輝く感じだ。この光沢は絵の具を通して見た光なので、流行の3Dテレビでもこれは表現出来ないだろうと思う。

絵の具と光の加減が絶妙なのか、額から浮き出てるように見えるのがあっ た。
「青いカップのある静物」などは、目が錯覚したような感じだった。

他に変わった展示としては、白の発色を良くするための厚塗りとか、色の鮮やかさを考慮した絵の具の選定など、それらの状態を素人でもわかる様に可視化したX線画像のパネル展示があり、なかなか面白かった。 (近くにいたおばちゃんは、こんなん専門家向けで解らんわーと言ってたけど)

■関連事項
まだ買っていないが、5月15日発行の雑誌「Pen」2010年6月第1週号で、印象派の特集がされている事をiPod touchのアプリ「雑誌ONLINE」で知る。もちろんルノワールについても記述がある。これはぜひ買っておきたい。

国立国際美術館 - ルノワール─伝統と革新2010/04/03 00:00

国立国際美術館で次に開催される展覧会はルノワールらしい。

■国立国際美術館 B3フロアのご案内
 http://www.nmao.go.jp/japanese/b3.html

ルノワール作品について、いまさら素人があれこれ言う必要もないでしょうから、周辺の事について予習してみた。

ルノワールと聞いて思い浮かべるのは、「ボワっとしたきれいな色の人物画」的な記憶で、これが風景画になるとモネですな…というイメージ。学校の美術の教科書に載ってたのは、たしかそんな感じという事を頭に置きながら、google先生に聞いてみる。

ルノワールさんの活躍した時代は、1800年台の後半から、1900年代の初め。意外と近代の人という事でちょっとオドロキだった。彼の人生は、ザックリ言えば磁器の絵付け師になりかけたけど時代の流れで仕事がなくなったので絵描きになった…そんなところ。ちょうどこの年代を聞いてピンと来るのは「シャーロックホームズの年代ですな」という事。産業が栄えて、町には馬車が走り、それが次第に自動車に置き換わっていく時代で、そんな時代に職が無くなったので絵描きになったーという考えがちょっと不可解な気がした。絵が好きなんですな。
そして、モネと同じ年代で、実際に横に並んで似た構図の絵を描いたというエピソードも興味深い。以下で確認できる。

■「ラ・グルヌイエール」
 http://www.asahi-net.com/~rv3m-stu/pic673.htm
 http://cgfa.acropolisinc.com/renoir/p-renoir38.htm
 http://cgfa.acropolisinc.com/monet/p-monet4.htm

もう一つ意外だと思った所は、彼は小さな頃から絵の上手い天才…というよりは、塾に通って勉強したり、展覧会に作品を出して通ったり通らなかったりを繰り返したりといった感じで、後から育った才能だという事だった。
また、彼の作品は美術の教科書に載ってたアレだけではなく、時代とともに作風が変わっていったとのこと。

ルノワールさんの作品は世の中に沢山あるようですが、その中から約80枚が見れるらしい。予習しといて良かった~という感じ。

■WikiPedia ピエール=オーギュスト・ルノワール
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ピエール=オーギュスト・ルノワール

■ルノワール - 伝統と革新
 http://renoir2010.com/index.html

国立国際美術館 「絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から」2010/03/15 00:00

美術に関して造詣があるわけではないが、仕事の関係から国立国際美術館のそばを通る機会が多いので、行ってみた。
ちょうど上記のような展覧会を開催していた。現代活躍してる日本の芸術家の作品をオムニバス的に鑑賞できる会なので、どんな作品が今時のトレンドなのかちょっと興味がわいていた。展示されている作家は以下の通り。

■展示作者
 ・加藤 泉
 ・後藤 靖香
 ・奈良 美智
 ・森 千裕
 ・村瀬 恭子
 ・花澤 武夫
 ・岩永 忠すけ
 ・秋吉 風人
 ・中山 玲佳
 ・青木 陵子
 ・池田 光弘
 ・加藤 美佳
 ・小林 孝亘
 ・小沢 さかえ
 ・正木 隆
 ・町田 久美
 ・会田 誠
 ・はまぐち さくらこ
 ・法貴 信也
 ・栗田 咲子
 ・坂本 夏子
 ・O JUN
 ・厚地 朋子
 ・タカノ 綾
 ・長谷川 繁
 ・杉戸 洋
 ・牧嶋 武史
 ・草間 彌生

■国立国際美術館 絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から
 http://www.nmao.go.jp/japanese/b3_exhi_works_garden.html
 ※展示作品リストがDLできる

で、個人的な感想。この中の誰かの絵を1枚買えと言われたら、私が選ぶのは厚地朋子さんの作品。絵のタッチが独特かつ、絵として奇麗な感じでした。指で描きましたか?という感じ。
後は、森千裕さんの作品がなかなかシャレの効いた感じ。タイトル見て、作品見るとなんか面白い。生作品を立体的に見ないと、webで見てもイマイチわからないですが。
残りの方は… 芸術的な何かが世間から評価されていると思いますが、私には理解できませんでした。「何を表わしてるの?」とか「このイカレ漫画家がァ!」とか、中国風なのとか、小学生の女子の描く絵がブっとんだのみたいなのとか、OpenGL空間に物置いたんですか?みたいなのとか。どれも個性的だけど、ちょっと肌に合わない感じでした。